回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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T Kitahashi, H Ando, M Ban, H Ueda and A Urano
Zoological Science 15 753-760 (1998)
Abstract
産卵回遊期のサケ科に関して、その生殖腺刺激ホルモン(GTH)の発現動態に関する知見は限られている。そこで、石狩川に産卵をする回遊の最終段階のサケの下垂体を解析し、GTH(FSHとLH)に関して変化を調べた。サケは1993年と1994年に石狩湾と千歳において行われた。前者でとれたサケをSW群、後者でとれた魚をFW群とした。GTHmRNAsの発現量はドットブロット法により定量した。雄においてGTH α2 mRNAの発現量はFW群の方がSW群に比して高かった。同様の傾向はメスにおいても確認された。FSHに関しては雌雄ともに両群で変化はなかった。一方、LHでは1994年の雌雄ともにSW群に比べFW群は高い発現量であった。1993年の雄に関しては統計的には有意ではなかったが、同様の傾向がみられた。本研究によりLHはGTH α2に付随して産卵回遊の終期において上昇することが示された。
Impression
イントロで少し古いが、サケのGTHの動態に関してまとめてあったので参考になった。回遊の距離などに付随して起きる産卵の戦略の違いが、サケのホルモン動態に違いを生んでいる印象を受けた。年に数回の産卵を行うニジマスよりは、サケやギンザケなど一生に一度しか産卵しない魚種と鰻は同様の戦略をとる気がする。ギンザケはLHがMid Vittelogenic~Late Vittelogenicにおいて一番高くその後、減少する(Swanson 1991)。ウナギの発現動態をみるとこれに近い動態を取るのではないかという気がする。
Zoological Science 15 753-760 (1998)
Abstract
産卵回遊期のサケ科に関して、その生殖腺刺激ホルモン(GTH)の発現動態に関する知見は限られている。そこで、石狩川に産卵をする回遊の最終段階のサケの下垂体を解析し、GTH(FSHとLH)に関して変化を調べた。サケは1993年と1994年に石狩湾と千歳において行われた。前者でとれたサケをSW群、後者でとれた魚をFW群とした。GTHmRNAsの発現量はドットブロット法により定量した。雄においてGTH α2 mRNAの発現量はFW群の方がSW群に比して高かった。同様の傾向はメスにおいても確認された。FSHに関しては雌雄ともに両群で変化はなかった。一方、LHでは1994年の雌雄ともにSW群に比べFW群は高い発現量であった。1993年の雄に関しては統計的には有意ではなかったが、同様の傾向がみられた。本研究によりLHはGTH α2に付随して産卵回遊の終期において上昇することが示された。
Impression
イントロで少し古いが、サケのGTHの動態に関してまとめてあったので参考になった。回遊の距離などに付随して起きる産卵の戦略の違いが、サケのホルモン動態に違いを生んでいる印象を受けた。年に数回の産卵を行うニジマスよりは、サケやギンザケなど一生に一度しか産卵しない魚種と鰻は同様の戦略をとる気がする。ギンザケはLHがMid Vittelogenic~Late Vittelogenicにおいて一番高くその後、減少する(Swanson 1991)。ウナギの発現動態をみるとこれに近い動態を取るのではないかという気がする。
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