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回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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Y-S Han, I-C Liao, W-N Tzeng and J Y-L Yu
Journal of Molecular Endocrinology 32 179-194 (2004)

甲状腺系についての台湾のグループの報告

Abstract
本研究の目的は、ゲノムシークエンスも含む、ウナギの下垂体TSHβのクローニングにより、DNAの系統解析と下垂体での発現の調節を研究すること、および天然の雌ウナギの卵成熟と銀化段階にあるTSHβとチロキシンの動態を調べることである。雌ウナギは体色と卵径によってJuvenile、Sub-adult、Pre-Silver、Silverの4段階に分けた。TSHβのゲノムDNAは2つのイントロンと3つのエキソンを有しており、推定20残基のシグナルペプチドと127残基の成熟ペプチドからなっていた。アミノ酸の配列を他の硬骨魚類と脊椎動物と比較すると、以下のような結果となった。ヨーロッパウナギ(98.4%)、サケ科魚類(60.6-61.3%)、コイ科魚類(52.0-56.7%)、チョウザメ(48.4%)、四肢動物(42.9-45.2%)。in vitroによるTSHβmRNAの調節の実験により、チロキシンが減少すると甲状腺ホルモン放出ホルモンが増加し、発現することがわかった。RT-PCRとReal Time PCRにより銀化中にTSHβの転写段階のmRNAの発現が増加することが示された。血漿中のチロキシンもTSHβと平行して増加しており、このことは天然の雌のウナギにおいて視床下部-下垂体-甲状腺系が銀化と関係していることを支持している。

感想
最近のヨーロッパウナギの報告(Aroura et al.2005)では上記の仮説は支持されていない。むしろ、銀化は成熟の副産物ということが正しいらしい。ニホンウナギでも再考察の価値がある。これは今やっている実験でできる。TSHβはReal Timeで行けそうだが、チロキシンをアッセイするところを探す必要があるなあ・・・。
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