回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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T Miyai, J Aoyama, S Sasai, J G. Inoue, M J. Miller and K Tsukamoto
Enviromental Biology of Fishes 71 105-114 2004
Abstract
我々はニホンウナギ(Anguilla japonica)の生息域の北限付近の新潟県の魚野川において、1996年から1998年にかけて、三棟の商業ヤナによりウナギを採集し、その種構成、降河回遊の時期、生物学的特徴を調べた。ヤナで採集された292個体のウナギから二段抽出したウナギ(sub-sample)の93.6%が外来のヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)であり、それらは成熟した銀ウナギ期であった。ウナギの平均年齢は10.2歳であり、年成長率が6.3cm/yrと比較的高った。1996年と1997年の漁獲データから降河回遊は8月から11月の終わりにかけて散発的に起こり、流量の増加と水温の低下が起こると採集されることが示された。どちらの年も、下弦の月から新月にかけてが最も漁獲が多かった。これらの知見はヨーロッパでの研究に一致しており、本来の生息域から離れた場所において、急速に成長・成熟し、降河回遊を始めることを示唆している。このニホンウナギと同時期に産卵回遊を開始する外来ウナギの発見により異種交配の可能性とニホンウナギの漁業に与える影響の問題が生じている。
Enviromental Biology of Fishes 71 105-114 2004
Abstract
我々はニホンウナギ(Anguilla japonica)の生息域の北限付近の新潟県の魚野川において、1996年から1998年にかけて、三棟の商業ヤナによりウナギを採集し、その種構成、降河回遊の時期、生物学的特徴を調べた。ヤナで採集された292個体のウナギから二段抽出したウナギ(sub-sample)の93.6%が外来のヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)であり、それらは成熟した銀ウナギ期であった。ウナギの平均年齢は10.2歳であり、年成長率が6.3cm/yrと比較的高った。1996年と1997年の漁獲データから降河回遊は8月から11月の終わりにかけて散発的に起こり、流量の増加と水温の低下が起こると採集されることが示された。どちらの年も、下弦の月から新月にかけてが最も漁獲が多かった。これらの知見はヨーロッパでの研究に一致しており、本来の生息域から離れた場所において、急速に成長・成熟し、降河回遊を始めることを示唆している。このニホンウナギと同時期に産卵回遊を開始する外来ウナギの発見により異種交配の可能性とニホンウナギの漁業に与える影響の問題が生じている。
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