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回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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K.Tatsukawa
Eel Biology p293-p298

ウナギ航海からやっと帰ってきた。

降りウナギのシーズンに突入し、論文制作も加わり大変忙しくなりそうだけど、それも幸せなことである。

今回はウナギの資源のレビューを読んだ。
考えてみると資源学の分野はかなり勉強不足な気がする。
個人的にはあまり好きな分野ではないが、社会的には重要なので一応触れておくのは得策だと思う。


今回読んだレビューは事例研究・報告を中心にウナギがいかに減少しているかを書いている。

少し古いデータだけど、
ウナギの消費量: 106000t このうち81.5%が海外からの輸入
日本における養殖ウナギの減少: 1991年・38855t → 1999年・22836t

シラスウナギの漁獲量の減少
1960年代 130t、 2000年 17t  盛時の13%
ウナギの漁獲量の減少
1960年代 3000t、 2000年 700t 減少率77%

浜名湖におけるウナギの漁獲量の減少
1960年代 53.2t、1990年代 8.2t  30年間で85%も減少

このほかの河川・湖沼でもウナギの資源は減退


上記のように日本におけるウナギの資源は減少傾向にある。
その原因として、
・海洋環境の変化
・ウナギ/シラスウナギの乱獲
・ウナギの生活環境の破壊(たとえばダム建設)

東アジア全体でもウナギ資源は減退しており、早急な資源管理対策が必要である。


感想
漁師や卸業者の人と話す機会が結構あり、そのたびに減っていると聞いていた。データとしてもはっきりとその傾向が出ていて、やはり何らかの対策が必要であると思う。僕の見解としては、まず河川をウナギが生息できるようにする(carrying capacityの増加)、そして再生産に関わる親ウナギ(銀ウナギ)の漁獲を減らすことが重要なのではと思う。
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