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回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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M-E Sebert, A Amerand, A Vettier, F-A Weltzien, C Pasqualini, P Sebert, S Dufour
General and Comparative Endocrinology 153 289- 298 (2007)

Abstract
ヨーロッパウナギの銀ウナギ期は陸水域から産卵海域であるサルガッソーへ向けて海洋での産卵回遊の期間であり、性成熟が進行していると考えられている。追跡調査のデータや様々な解剖学的・生理学的データにより、銀ウナギは深海を回遊していることが示唆され、そのため高い静水圧(HP)がウナギの生殖の誘起に関係している可能性が考えられる。我々は101ATAの水圧をかけた淡水再循環式のチャンバーでメスを3週間、オスを7週間飼育した。1ATA下で飼育した対照群をもうけ、HPが下垂体のGTH(FSHとLH)のmRNAの発現に与える影響を調べた。mRNAの発現は定量リアルタイムPCRで測定した。HPが生殖の活動に与える影響はGSI、卵径、血漿のVtgと性ホルモン(E2と11-KT)を測定することにより評価した。下垂体レベルでは、LHとFSHの比から、両性でFSHは発現が現象したのに対して、LHは発現が増加する傾向にあった。このことから、HPはFSHとLHに異なった働きをすることが示唆される。HP群のメスでは、卵径、E2、11-KTが有意に増加した。似たような傾向かオスの11-KTで観察された。メスでは、Vtgも有意に増加しており、肝臓での卵黄形成に性ステロイドが影響していることが考えられる。我々の結果から、HPはウナギの成熟を進める特異的な働きがあることが分かったが、完全に性成熟するにはさらなる環境の刺激が必要であることが分かった。
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