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回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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Richard A. Holland, Martin Wikelski, David S. Wilcove
Science 313 794-796 (2006)

今日は前回と同じ、サイエンスの特集記事の中から、昆虫のMigrateについての記事を読みました。

Abstract
毎年、数え切れない昆虫が大陸間・大陸内を移動(Migrate)する。そして、この大規模な移動(Movement)に対する究極的な理由やメカニズムに関しては、まだほとんど分かっていない。我々は、この理由としておそらく繁殖の幅を広めることが昆虫の移動の最も大きな理由ではないかと考えている。繁殖行動の空間的・時間的な範囲を広めると、その子孫は多様な環境へと分散される。我々はまた、Migrateをより理解するために、昆虫1個体の長距離移動の研究が如何に重要かを示す。将来、より進んだトラッキング手法により、砂漠バッタなどの大型の昆虫の地球規模での観察が可能になると期待される。


論文の要点(個人的に面白かったところ)
Migration Strategies in Insects
生物の移動を直感的に考えると、生物の移動が進化するのは留まる利点より移動する利点の方が勝るときのみに起こると予想される。
昆虫ではこのことが当てはまるかどうかは議論の余地がある。
時・空間的に繁殖行動を広げることが、その子孫に将来の繁殖に重大な影響を与える可能性のある地域や環境へと分散させることになり、このことより昆虫は‘hedge their bests(複数の場所に賭ける)’の能力を有する。

Tracking
トンボのTrackingを行った点。夜間の温度低下を関知し行動していることが明らかになった。
500g以下の生物へのTrackingは基本的には重度の付加が掛かる。そのため、新しい技術の革新が求められる。



感想
昆虫のMigrationは回遊や渡りとは全く異なる移動形態であると思う。それにも関わらず、その戦略に繁殖があるということは興味深い。生物の基本的な活動は、成長と成熟の二つの幹に集約される気がする。回遊はその幹から伸びる枝であり、大本をたどると成長と成熟により制御されてる行動なのではと最近は考えている。
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