回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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Andrew Sugden and Elizabeth Pennisi
Science 313 775 (2006)
去年のサイエンスにMigration and Dispersalという特集が行われていたので、ゼミのネタ探しのためにも読もうかと思った次第です。
今日は、特集のイントロです。
生物にとって生活史の適切なある時期に移動を行う能力は生存に必須である。まず生物は初期生活において水柱の受動的な輸送は、饑餓を避け、遺伝的多様性を保つため、淘汰に関わる利点を与える。初期生活史以降、生物は資源の確保、捕食者からの逃避、繁殖相手や場所の探索、家族からの独立などのために様々な方法で、Disperseを発達させていったdisperseは広義には生まれた場所からの移動を意味する。厳密に言うとMigrationはそれが一回だけか多回かに関わらず、周期的で地理的に予測可能な方法の旅を包含する。今回のサイエの両方の移動をさらに理解するために我々がすべき方法について扱う。
植物において、胞子、種、果実などは典型的なDispereseの単位である。Disperseのための形態的適応に関する知見は多くあるが、いまでも研究者は苗木に至るDisperseのことがらの目的やその運ばれる距離について答えることが出来ない。一つの展開としてNathenは近年発達した植物の長距離輸送のモデルと評価を詳述している。Holdenはさらに植物だけでなく、すべての生物における理論的枠組みとしての見解を論じた新しい話を提供している。生物はまた、生活場所や気候の変化に応じてDisperseする。Kokko and Lopez-Sepulceは動物のその能力に選択的な力が働き、如何にしてDisperseが分布の拡大や縮小に至るのかを論じている。Kintischは海洋生物学者はどの程度気候が海洋生物に影響を与えているか評価しているのかについて書いてある。
人間は非常に分散能力がある。新しい場所に集団を形成することは過去100<万年をとおして人類生態学における特質である。Reviewにおいて、Mellarsは考古学と遺伝学の先進的な研究が、40000~60000年前のアジアの古代のヒトの集団移動に関する論争に新しい展開をもたらすと考えている。Migrationに関するPerspectiveの記事は2つある。Holland et al.は昆虫のMigrationに焦点を当てた。昆虫は生まれた場所にもどるというより、世代を通して地理的なパターン確立した旅を行う傾向にある。Alerstamは動物の行う周年的な移動(特に鳥)におけるナビゲーション機構についての蓄積され、時には矛盾のある報告について論じている。関連した報告として、Muheim et al.は渡り鳥の磁気コンパスの調節における夜明けと夕暮れの偏光の役割について述べているMorellは新しいモデルが鳥の渡りの成否に関わる遺伝子と環境の対応について明らかにする可能性を述べている。Blackburn、HolldenそしてUngerが指摘するように、魚、カニ、クラゲ、Rhinos、北極熊において長年の発明と努力が新しい技術の発達として報われ始めたことを報告している。以上のような発達のおかげで、移動の生態と進化に関する研究が世界中で人為改変が進む生物のDisperseとMigrationに関して明るみにだす義務を果たすこと出来る。
感想
今回はDisperseとMigrationに日本語をあてはめずに考えてみました。
どちらも移動に関係した単語ですが、Disperse=分散はまだ良いとして、Migration=回遊は日本語として適切ではない気がします。
Disperseは受動的な移動。移動能力が低い生物の移動などをさすと思います。ただ、受動的といっても、たとえばウナギの稚魚であるレプトセファルスは日周鉛直移動をしており、単純に受動的とはいえないと思います。
Migrationは能動的な移動。もしくは、移動能力の高い生物の移動をさすと思います。トリの渡り、サケやウナギの回遊、バッタの大移動もこれにあたると思います。
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