回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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Masato Nikaido, Oliver Piskurek, Norihiro Okada
Molecular Phylogenetics and Evolution 43 216-224 (2007)
今日は、前回のゼミの論文。青山さんの選んだ論文です。
SINEは少し興味があったし、何より鯨類を扱っているので特に気になっていた論文です。
Abstract
従来の形態学的データは、ハクジラの単系統性を示唆してきた。しかしながら、近年報告された新たな研究においては、この単系統性が議論の的になっている。我々は、これまでにイルカとマッコウクジラに共通のSINEを含む3つの遺伝子座を特定し、ハクジラ亜目が単系統であるとする伝統的な系統関係を支持した。近年、いくつかの分子遺伝学的研究がこの単系統性を示唆したものの、分子系統学的観点からは未だ懐疑的な見方がある。SINEを用いて適応放散した分類群の系統を明らかにしようとする際、ある分類群を選んだときに起こるAscertaniment Bias(サンプリングバイアス)を考慮することが重要である。この問題を解決するため、 我々はイルカ、マッコウクジラ、ヒゲクジラ、それぞれの種について広範なSINEの探索を行い、可能なすべてのトポロジーを検討した。その結果、マッコウクジラとイルカに計9個のSINEを特定し、ハクジラの単系統性を認めた。さらに、ヒゲクジラの祖先のみで増幅した計10個のSINEも検出された。以上の結果から、短期間に分化した鯨類にもかかわらず、系統推定のノイズとなる祖先のSINE多型は認められず、ハクジラ類は単系統であることが示された。
Molecular Phylogenetics and Evolution 43 216-224 (2007)
今日は、前回のゼミの論文。青山さんの選んだ論文です。
SINEは少し興味があったし、何より鯨類を扱っているので特に気になっていた論文です。
Abstract
従来の形態学的データは、ハクジラの単系統性を示唆してきた。しかしながら、近年報告された新たな研究においては、この単系統性が議論の的になっている。我々は、これまでにイルカとマッコウクジラに共通のSINEを含む3つの遺伝子座を特定し、ハクジラ亜目が単系統であるとする伝統的な系統関係を支持した。近年、いくつかの分子遺伝学的研究がこの単系統性を示唆したものの、分子系統学的観点からは未だ懐疑的な見方がある。SINEを用いて適応放散した分類群の系統を明らかにしようとする際、ある分類群を選んだときに起こるAscertaniment Bias(サンプリングバイアス)を考慮することが重要である。この問題を解決するため、 我々はイルカ、マッコウクジラ、ヒゲクジラ、それぞれの種について広範なSINEの探索を行い、可能なすべてのトポロジーを検討した。その結果、マッコウクジラとイルカに計9個のSINEを特定し、ハクジラの単系統性を認めた。さらに、ヒゲクジラの祖先のみで増幅した計10個のSINEも検出された。以上の結果から、短期間に分化した鯨類にもかかわらず、系統推定のノイズとなる祖先のSINE多型は認められず、ハクジラ類は単系統であることが示された。
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