回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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SZ Dou, Y Yamada, A Okamura, S Tanaka, A Shinoda, K Tsukamoto
Aquaculture 266 117-129 (2007)
Abstract
人為催熟したニホンウナギ(Anguilla japonica)の飼育下における産卵行動をDVDビデオを用いて観察した。人為催熟処理は常法に従った。本実験では、ホルモン処理したウナギ3組をシェルター入り、もしくはシェルターのない1.5m^3の水槽に入れ、20℃で24時間海水馴致させた。その24時間後、最終成熟と排卵を促すために、SPEを打ち、さらにその24時間後にHCGとDHPを打ち込んだ。ビデオ撮影は馴致期間から始め合計96時間撮影した。HCG投与前、雌雄ともにinactiveで水槽の底かシェルターにいた。HCGを投与すると、activeになり水槽の底を離れるようになった。HCG投与後のActivityに関してシェルター未処理群では全Activityの雌で67%、雄で45%であり、シェルター処理では雌雄でそれぞれ77%と78%であった。この時期の活動は他の時期に比べ雌雄ともにまた、シェルターの有無にかかわらずはっきりしていた。排卵と放精は一番活発している時間に水槽の上部(底面では無い場所)で行われた。排卵放精後はウナギはシェルターに戻る、もしくは底面に戻った。シェルター未処理のウナギ9匹中8匹(89%)がHCG投与後14-18時間で自然排卵を行った。これとは対照的にシェルター処理群ではHCG処理後14-20時間で9匹中4匹(44%)しか排卵しなかった。雄に関して、HCG処理後シェルター未処理群では雌に先立つこと2-4時間で活動が最も活発になり、シェルター処理群はそれが5-6時間であった。産卵行動の指標行動であるペアリングやチェイシング、タッチングといった求愛行動は本研究では観察されなかった。しかしながら多くの場合、雌雄間、もしくは雌雌間でしばしば短い期間を泳ぐ‘Cruise together’といった行動を発見した。これは人為催熟したニホンウナギでグループでの産卵行動を起こす可能性を示唆するものである。
Aquaculture 266 117-129 (2007)
Abstract
人為催熟したニホンウナギ(Anguilla japonica)の飼育下における産卵行動をDVDビデオを用いて観察した。人為催熟処理は常法に従った。本実験では、ホルモン処理したウナギ3組をシェルター入り、もしくはシェルターのない1.5m^3の水槽に入れ、20℃で24時間海水馴致させた。その24時間後、最終成熟と排卵を促すために、SPEを打ち、さらにその24時間後にHCGとDHPを打ち込んだ。ビデオ撮影は馴致期間から始め合計96時間撮影した。HCG投与前、雌雄ともにinactiveで水槽の底かシェルターにいた。HCGを投与すると、activeになり水槽の底を離れるようになった。HCG投与後のActivityに関してシェルター未処理群では全Activityの雌で67%、雄で45%であり、シェルター処理では雌雄でそれぞれ77%と78%であった。この時期の活動は他の時期に比べ雌雄ともにまた、シェルターの有無にかかわらずはっきりしていた。排卵と放精は一番活発している時間に水槽の上部(底面では無い場所)で行われた。排卵放精後はウナギはシェルターに戻る、もしくは底面に戻った。シェルター未処理のウナギ9匹中8匹(89%)がHCG投与後14-18時間で自然排卵を行った。これとは対照的にシェルター処理群ではHCG処理後14-20時間で9匹中4匹(44%)しか排卵しなかった。雄に関して、HCG処理後シェルター未処理群では雌に先立つこと2-4時間で活動が最も活発になり、シェルター処理群はそれが5-6時間であった。産卵行動の指標行動であるペアリングやチェイシング、タッチングといった求愛行動は本研究では観察されなかった。しかしながら多くの場合、雌雄間、もしくは雌雌間でしばしば短い期間を泳ぐ‘Cruise together’といった行動を発見した。これは人為催熟したニホンウナギでグループでの産卵行動を起こす可能性を示唆するものである。
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