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回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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Yu-San Han, I-Chiu Liao, Wan-Nian Tzeng, Yung-Sen Huang, John Yuh-Lin Yu
Comparative Biochemistry and Physioligy Part B 136 913-920 (2003)

今日からしばらく、修士課程の研究の論文作成に際して読まなければならないものを読んでいく予定である。
今回は、台湾のグループのE2とTに関する論文にした。

Abstract
天然ウナギの銀化の進行に伴うホルモンの変化を調べるために、2000年8月~2001年6月まで台湾のカオピン川でサンプリングを実施した。銀化前および銀化中の雌ウナギの成熟段階は体色と卵径からJuvenile、Sub-adult、Pre-Silver、Silverの4段階に分けた。雄ウナギはSilverだけ採集された。Estradiol-17β(E2)とtestosterone(T)はRadioimmunoassay法で行った。銀化中に肝重量は増加したが、肝重量指数は一定であった。一方、生殖腺は生殖腺重量、GSIともに顕著に増加した。雌ウナギのE2は銀化に伴い増加したが(P<0.05)、雄では検出限界以下であった。雌ウナギのTも銀化に伴い顕著に増加し(P<0.05)、Juvenileで最も低く、Silverで最も高かった。雌雄のSilverのTの値を比較すると雌の方が高かった。結論として、E2もTも卵巣の発達に伴い増加するが、雄におけるE2は検出限界以下であった。このことは雌雄のどちらにもエストロゲンでは無く、アンドロゲンが銀化の過程に重要な役割を果たしていることを示唆している。

考察では、
・養殖ウナギ、A.australis、A.dieffenbachii、アメリカウナギ、ヨーロッパウナギの知見との比較 
・PG系の重要性
・Tが銀化を進行する理由(ほぼReferenceでの展開が中心)

感想
実験・論文ともにボリュームも少なく、主張もこれまで通りである。自分の研究も同様であるが、これでCBPに載っているのはある意味勇気づけられる。(この考えが正しいかどうかは別にして・・・)
Tに関して、Hanのデータはそこまで発達段階同士で差がない。このことは時期を別にしたサンプリングを実施していないためであると思われる。現在書いている論文はこの時期を考慮しいることを生かし形で完成させたい。
雄のデータを含めて入れているところは評価すべき点である。今年のサンプリングでも雄の扱いはどうしようか迷うところである。
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