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回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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Acou, A, Poizat G, Crivelli A-J
Ecology of Freshwater Fish 15 578-582 (2006)

Abstract
眼形指数(OI)に基づいたウナギ(ヨーロッパウナギ)の成熟度の知見は例えば流域内のウナギの回遊する割合の評価やウナギの成熟度の正確な評価など、管理や調査によく用いられる。OIは5つの独立したパラメーターからなり、そのためエラーが生じやすいと考えられる。この問題を調べるために、我々は13個体のウナギを用いて、3人の観察者で繰り返し測定を行った。どのウナギ、観察者においても推定された95%信頼区間における不正確差は1.8であった。このような誤差は銀ウナギと黄ウナギとが近い時にはOIで判断するのは難しい。この研究では、OIの不正確さの問題だけでなく、正確に銀ウナギを同定する標準的なプロトコルを用意した。
PR
C.Durif, S.Duhour, and P.Elie
Journal of Fish Biology 66 1025-1043 (2005)

Abstract
フランスの6つの地点においてヨーロッパウナギの大規模なサンプリングを実施し、多変量解析を行い、雌ウナギを5つのステージ、雄ウナギを2つのステージに分けた。ステージはそれぞれ、成長期(StageⅠ,Ⅱ)、回遊準備期(Ⅲ)、回遊期(Ⅳ,Ⅴ)からなる。StageⅢではGHの合成を通して、銀化の引き金を引く重要な成長が行われている可能性が考えられる。回遊期の生殖腺の発達したウナギでは、LHの合成と眼の表面の増大がどの地点でも認められた。流域やサイズが異なっても高い値を示した、鰭長と消化管の退縮は回遊とともに進行すると思われる。
Finn-Arne Weltien, C Pasqualini, P Vernier, S Dufour
General and Comparative Endocrinology 142 134-142 (2005)

Abstract
ドーパミン(DA)はヨーロッパウナギのPubetyの阻害に重要な役割を果たしている。しかし、この種においてどのようにドーパミンが神経活動に作用し調整しているのかは知られていない。分子レベルでのDAの阻害を調べるために、Light Cycler systemを利用した定量リアルタイムPCRの測定系を確立し、カテコールアミン生合成の最終酵素であるTHの発現を調べた。内部標準遺伝子に関しては以前にクローニングしたcytichrome bと新しくクローニングしたacidic ribosomal phosphoprotein P0を比較した。さらに測定系の洗練のため、複数のRAN抽出法を試し比較した。ウナギの幼魚の脳を調べたところ、THの発現は嗅球で最も発現しており、次に視索前野を含む終脳、視葉をのぞいた間脳・中脳に発現していた。視葉と脊髄のTHの発現は低く、小脳では発現していなかった。この分布パターンは、免疫組織化学法やRT-PCR、ノーザンブロットから得られた知見と同様であった。今回確立した定量リアルタイムPCR法はDAのPubetyの阻害の機構を理解するのに役立つ新しいツールを提供した。
T Miyai, J Aoyama, S Sasai, J G. Inoue, M J. Miller and K Tsukamoto
Enviromental Biology of Fishes 71 105-114 2004

Abstract
我々はニホンウナギ(Anguilla japonica)の生息域の北限付近の新潟県の魚野川において、1996年から1998年にかけて、三棟の商業ヤナによりウナギを採集し、その種構成、降河回遊の時期、生物学的特徴を調べた。ヤナで採集された292個体のウナギから二段抽出したウナギ(sub-sample)の93.6%が外来のヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)であり、それらは成熟した銀ウナギ期であった。ウナギの平均年齢は10.2歳であり、年成長率が6.3cm/yrと比較的高った。1996年と1997年の漁獲データから降河回遊は8月から11月の終わりにかけて散発的に起こり、流量の増加と水温の低下が起こると採集されることが示された。どちらの年も、下弦の月から新月にかけてが最も漁獲が多かった。これらの知見はヨーロッパでの研究に一致しており、本来の生息域から離れた場所において、急速に成長・成熟し、降河回遊を始めることを示唆している。このニホンウナギと同時期に産卵回遊を開始する外来ウナギの発見により異種交配の可能性とニホンウナギの漁業に与える影響の問題が生じている。
Jacque A. Boubee, Charles P. Mitchell, Benjamin L. Chisnall, Dave W. West, Eddie J. Bowman, Alex Haro
New Zealand Journal of Marine and Freshwater Research 35 121-134 (2000)

Abstract
成熟したLongfinned eel(Anguilla dieffenbachii)とshortfinned eels(Anguilla australis)の降河回遊を1992年から1998年にかけてRangitaiki川のAniwhenuaaダムで調べた。回遊したもののほとんどは1000mmを超える全長の雌で、耳石の解析からそれらは急速に成長したものと考えられる。回遊は秋の夜数日間、一般的に水温が下がり始め、11度以上の水温の時に起こった。降雨と流量の増大は回遊の引き金となることが分かった。Aniwhenuaaにおいて三日間の累積降雨量が40mmを超える日に起こる回遊は全体の60%を占めた。このことから降雨はウナギが水力発電のダムの障壁を傷つかずに通過させるために、回遊を予測する判断材料となることと考えられる。
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