回遊や渡りなど、生物の旅に関する論文&研究日誌
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G Rakowitz, B Berger, J Kubecka, H Keckeis
Ecology of Freshwater Fish in press
Ecology of Freshwater Fish in press
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T Kitahashi, D Alok, H Ando, M Kaerityama, Y Zohar, H Ueda and A Urano
Zoological Science 15 761-765 (1998)
Abstract
以前の研究で、サケの下垂体では産卵回遊の最終段階でsGnRHとFSHではなくLHのmRNAの発現量が上昇することから、sGnRHがFSHではなくLHを刺激することを指摘した。今回の研究では、母川に戻っている段階の産卵前の回遊を行っているベニザケにおけるsGnRHに役割を明らかにするために、背びれの筋肉にGnRHaのカプセルを埋め込んだ。各々の下垂体のGTHの量はドットブロット法によりmRNAの定量を行った。GnRHa処理した群では対象群に比べGTHαとLHが有意に上昇していた。一方、FSHに関しては雌雄ともいに処理間に差は認められなかった。これらの結果からGnRHはベニザケの下垂体GTHαとLHを発現量を上昇させ、最終成熟へと向かわせることが示された。
Zoological Science 15 761-765 (1998)
Abstract
以前の研究で、サケの下垂体では産卵回遊の最終段階でsGnRHとFSHではなくLHのmRNAの発現量が上昇することから、sGnRHがFSHではなくLHを刺激することを指摘した。今回の研究では、母川に戻っている段階の産卵前の回遊を行っているベニザケにおけるsGnRHに役割を明らかにするために、背びれの筋肉にGnRHaのカプセルを埋め込んだ。各々の下垂体のGTHの量はドットブロット法によりmRNAの定量を行った。GnRHa処理した群では対象群に比べGTHαとLHが有意に上昇していた。一方、FSHに関しては雌雄ともいに処理間に差は認められなかった。これらの結果からGnRHはベニザケの下垂体GTHαとLHを発現量を上昇させ、最終成熟へと向かわせることが示された。
T Kitahashi, H Ando, M Ban, H Ueda and A Urano
Zoological Science 15 753-760 (1998)
Abstract
産卵回遊期のサケ科に関して、その生殖腺刺激ホルモン(GTH)の発現動態に関する知見は限られている。そこで、石狩川に産卵をする回遊の最終段階のサケの下垂体を解析し、GTH(FSHとLH)に関して変化を調べた。サケは1993年と1994年に石狩湾と千歳において行われた。前者でとれたサケをSW群、後者でとれた魚をFW群とした。GTHmRNAsの発現量はドットブロット法により定量した。雄においてGTH α2 mRNAの発現量はFW群の方がSW群に比して高かった。同様の傾向はメスにおいても確認された。FSHに関しては雌雄ともに両群で変化はなかった。一方、LHでは1994年の雌雄ともにSW群に比べFW群は高い発現量であった。1993年の雄に関しては統計的には有意ではなかったが、同様の傾向がみられた。本研究によりLHはGTH α2に付随して産卵回遊の終期において上昇することが示された。
Impression
イントロで少し古いが、サケのGTHの動態に関してまとめてあったので参考になった。回遊の距離などに付随して起きる産卵の戦略の違いが、サケのホルモン動態に違いを生んでいる印象を受けた。年に数回の産卵を行うニジマスよりは、サケやギンザケなど一生に一度しか産卵しない魚種と鰻は同様の戦略をとる気がする。ギンザケはLHがMid Vittelogenic~Late Vittelogenicにおいて一番高くその後、減少する(Swanson 1991)。ウナギの発現動態をみるとこれに近い動態を取るのではないかという気がする。
Zoological Science 15 753-760 (1998)
Abstract
産卵回遊期のサケ科に関して、その生殖腺刺激ホルモン(GTH)の発現動態に関する知見は限られている。そこで、石狩川に産卵をする回遊の最終段階のサケの下垂体を解析し、GTH(FSHとLH)に関して変化を調べた。サケは1993年と1994年に石狩湾と千歳において行われた。前者でとれたサケをSW群、後者でとれた魚をFW群とした。GTHmRNAsの発現量はドットブロット法により定量した。雄においてGTH α2 mRNAの発現量はFW群の方がSW群に比して高かった。同様の傾向はメスにおいても確認された。FSHに関しては雌雄ともに両群で変化はなかった。一方、LHでは1994年の雌雄ともにSW群に比べFW群は高い発現量であった。1993年の雄に関しては統計的には有意ではなかったが、同様の傾向がみられた。本研究によりLHはGTH α2に付随して産卵回遊の終期において上昇することが示された。
Impression
イントロで少し古いが、サケのGTHの動態に関してまとめてあったので参考になった。回遊の距離などに付随して起きる産卵の戦略の違いが、サケのホルモン動態に違いを生んでいる印象を受けた。年に数回の産卵を行うニジマスよりは、サケやギンザケなど一生に一度しか産卵しない魚種と鰻は同様の戦略をとる気がする。ギンザケはLHがMid Vittelogenic~Late Vittelogenicにおいて一番高くその後、減少する(Swanson 1991)。ウナギの発現動態をみるとこれに近い動態を取るのではないかという気がする。
C Durif and P Elie
Fisheries Management and Ecology 15 127-137 (2008)
Abstract
世界的に降河回遊魚であるウナギは減少している。水力発電所による影響を緩和するためには降河回遊パターンに関する知見が必要である。銀ウナギの回遊とそれに関連する環境要因について広大な水域(110000m^2)の下流域にある漁場からデータを得て調べた。ウナギの一年の回遊(すなわち一年の漁獲)の異なった割合(50%、70%、95%)を示す、回遊日を判別分析により予想した。予想効率は58%から95%で目的とした割合によった。回遊の開始は日照時間、8月の水温、放水と関係していた。Julian days(すなわち光周期)は回遊日と有意に相関しており、年度間で似たような動態になることが示された。回遊期間ないで降河個体のサイズは多様であり、これは初期にいた場所が様々であることが影響してると思われる。
Fisheries Management and Ecology 15 127-137 (2008)
Abstract
世界的に降河回遊魚であるウナギは減少している。水力発電所による影響を緩和するためには降河回遊パターンに関する知見が必要である。銀ウナギの回遊とそれに関連する環境要因について広大な水域(110000m^2)の下流域にある漁場からデータを得て調べた。ウナギの一年の回遊(すなわち一年の漁獲)の異なった割合(50%、70%、95%)を示す、回遊日を判別分析により予想した。予想効率は58%から95%で目的とした割合によった。回遊の開始は日照時間、8月の水温、放水と関係していた。Julian days(すなわち光周期)は回遊日と有意に相関しており、年度間で似たような動態になることが示された。回遊期間ないで降河個体のサイズは多様であり、これは初期にいた場所が様々であることが影響してると思われる。
F Daverat, K E Limburg, I Thibault, J-C Shiao, J J Dodson, F Caron, W-N Tzeng, Y Iizuka, H Wickstrom
Marine Ecology Progress Series 308 231-241 (2006)
Abstract
耳石のSr:Ca比を用いてニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギの3種の生活域の利用パターンを調べた。それぞれのウナギの地域を考慮した6地点のデータを利用した。3種類は似たような生活域の利用パターンを示した。すべてのサンプリング地点において、一つの生息域(淡水、汽水、海水)に定着するか、生息域間を移動するかの二つからなっていた。移動形態の一つに一回もしくは二回、淡水域から汽水域へ、もしくは汽水域から淡水域への移動が認められた。淡水と汽水域の季節的な移動は3種すべてで観察された。一回の生活史の変化をしたものは、それは3から5歳の間に行っていた。一度も淡水環境に行かなかったウナギは確認されたが、その割合は少しでも淡水環境に到達したことのあるウナギに比べ少ない割合であった。ウナギはoblgate catadromousであるという従来の知見とは逆に、ウナギはfacultative catadromousとして認識するべきであると考えられる。最も変化の大きかったこととして、どこでどれだけ過ごしたかについての多様性より、その割合であった。高緯度域のウナギは低緯度域にくらべ汽水域に留まることが多かった。生息域利用の多様性は温帯種のウナギに共通する戦略であると考えられ、それは環境による制御をうけていると考えられる。
Marine Ecology Progress Series 308 231-241 (2006)
Abstract
耳石のSr:Ca比を用いてニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギの3種の生活域の利用パターンを調べた。それぞれのウナギの地域を考慮した6地点のデータを利用した。3種類は似たような生活域の利用パターンを示した。すべてのサンプリング地点において、一つの生息域(淡水、汽水、海水)に定着するか、生息域間を移動するかの二つからなっていた。移動形態の一つに一回もしくは二回、淡水域から汽水域へ、もしくは汽水域から淡水域への移動が認められた。淡水と汽水域の季節的な移動は3種すべてで観察された。一回の生活史の変化をしたものは、それは3から5歳の間に行っていた。一度も淡水環境に行かなかったウナギは確認されたが、その割合は少しでも淡水環境に到達したことのあるウナギに比べ少ない割合であった。ウナギはoblgate catadromousであるという従来の知見とは逆に、ウナギはfacultative catadromousとして認識するべきであると考えられる。最も変化の大きかったこととして、どこでどれだけ過ごしたかについての多様性より、その割合であった。高緯度域のウナギは低緯度域にくらべ汽水域に留まることが多かった。生息域利用の多様性は温帯種のウナギに共通する戦略であると考えられ、それは環境による制御をうけていると考えられる。